リニア関連道路整備等に関する事業説明会:平成26年12月9日開催

長野県飯田建設事務所主催の第一回道路整備計画説明会に参加してきました。開会の挨拶の後、長野県駅周辺整備計画と中央自動車道に接続する座光寺スマートIC(仮称)新設計画の概要説明、続いて長野県駅直近の国道153号線の改良整備と座光寺スマートIC間に新設される道路に関する概要説明が行われ説明会参加者の質疑応答という約2時間の内容でした。

本日の説明会資料は12月16日から 長野県飯田建設事務所飯田市のHPに掲載されるそうなので詳しい内容に興味のある方はそちらを見て頂いて、ここでは飯田市住民としての立場からの感想を記していきます。

説明会冒頭に県から提示された概要の中で強く印象に残ったキーワードは次の2点。

1:リニア長野県駅とその周辺を高度なトランジット・ハブにする

2:パーク&ライド(P&R)520台収容可能な駐車場の造成と座光寺スマートICの整備

高度なトランジット・ハブとは自家用車や大型バスなどの車とリニア中央新幹線を結ぶ高度な中継地点という意味でしょうか。パーク&ライド(P&R)は中信から南信の住民がリニアを利用する際に自家用車やバスなどで中央道から直通で長野県駅に到達し収容可能なスマートICと駐車場の新設です。

この概念を耳にして私が漠然と感じていた不安が的中しました。その不安とは「飯田が単なる中継地点としての役割しか出来ず、飯田に落とされる筈の金がストロー効果で外に流れ出してしまう」というものです。広大な敷地を必要とするP&R用の駐車場に加え、国道153号の改良や座光寺スマートICへ繋ぐバイパスの新設など飯田市がそれらのインフラ整備に土地を提供するだけで肝心の施工は県外や地元以外の業者にさせて予算が飯田を素通りしてしまわないか?P&Rは基本的に日帰りを想定している為に交通量が増える負担だけを飯田に押し付けられないか?、そんな印象を県の説明からは強く受けましたね。

言い方は悪いのですが「県庁所在地には新幹線が通っているしリニアは民間の事業だし飯田に中間駅が出来るなら他所から文句が出ない程度に整備しとけばいいんじゃない?」的な片手間的な計画案としか思えない、何故そう言えるのか?それは説明会中に飯田下伊那地域の発展に寄与するような説明や発言が皆無だったからです。思っていた以上に酷くて失望しました。

飯田のそれも座光寺には元善光寺があります。座光寺の住人だった本多善光卿が現在は長野市にある善光寺に遷座されているご本尊様を最初に安置されたのが元善光寺なんです。善光寺信仰では「元善光寺にお詣りしなければ片詣り」と云われる程の信仰を集める総本山に関する言及がまるで無いなど、飯田下伊那地区を軽視しているとしか思えません。今後飯田市側もそうですが我々住民もリニア中央駅開設後の飯田下伊那地区の発展の為に踏ん張る覚悟が必要だと感じた説明会でした。

 

会場:南信州・飯田産業センター

大ホールはほぼ満席の入り